環ROY「あっちとこっち」CD

型番 POP-129
販売価格 2,724円(税込)
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環ROY、ニューアルバムリリース決定!! フルアルバム3作目を迎えラッパーとしては勿論、生活者としての自身と向き合う。

感情の機微に触れ、人物像と共に時代性を浮き彫りにする傑作。フィーチャリングなしの13曲、環ROY 1色!!

このアルバムは絶えず一つのことだけを言っている。それはとても大切な話だから、ぜひ理解してほしい。環ROYは前作『BREAK BOY』で明確な苛立を見せていた。それは一言で言うと、日本のヒップホップはカンターカルチャーとしての大裁を繕うために、いつかは「こっち」が勝利する、という物語の維持だけを目的にしているという批判だった。つまり勝利しないことを受け入れれば負けることもないという偽の反骨精神、その醜悪さを彼は嗅ぎ取ったのだ。

メイクマネーを気取っても、今どきのラッパーのリアリティに根ざしたレイドバックを歌っても、すべてはシーンの外部に出ないことが前提の予定調和に過ぎない。そもそもこの時代に絶対的な敵を名指しできるだろうか。それはすべてのシーンの外部に声を届かせるフリをした嘘なのだ。

その批判は正しかった。しかも彼は同時に、その「シーン批判」というあり方も一つのパターンとして回収されることに気づいていた。それは結局、閉鎖的な「こっち」側で安全に身内批判を繰り広げているに過ぎない。さらに彼は、前作で名曲として評価された「Break Boy in the Dream」の、一人ぼっちで前進しようとするポジティブな姿勢ですら、一つのテンプレートとして消費されうるとも気づいていた。それは「こっち」から「あっち」へ踏み出すそぶりではあっても、本当に踏み出しているわけではない。外部を目指すなら、本当に目指すべきなのだ。本当に踏み出すべきなのだ。

ほとんど自分を追い込むかのようなその姿勢は、新アルバム『あっちとこっち』で徹底される。その追求は従来のテンプレートに則るものであってはいけない。ヒッピホップマナーを満たすだけなら今までと変わらない。「自分のリズムでダンス」(自分RYTHEM)するとはそういうことだ。自分の中にある全ての常識を「こっち」だけで通用するものだと捉えて、すべてを捨て去り、自分一人になる。そうすれば「あっち」側と共感できるものが見つけられるかもしれない。そのために彼はライミングすらドレスダウンさせるような気迫を見せる。

そしてアルバムの一曲目から、彼は力強く新たな一歩を踏み出そうとする。そこにあるのは平凡な生活の風景であり、またラブソングの形式だ。その枠組みは平凡なもので、だからこそ単なる観念性やシーンに向けた言葉を越えて、広いリスナーに届ける言葉として、「あっち」への壁を破るものとして選ばれている。この曲が「HAPPY BIRTH DAY / ONE DAY」として、平凡な一日の誕生を祝っている理由はそれだ。したがって、この曲はもちろんのことアルバムを通して、ラブソングとレイヤーを重ねながらに環ROYが歌うのは、やっぱりヒップホップのことなのだ。「ずっと頼りにしてた手がかりを失くしちゃいそうだ」とは、何の基準も頼りにしないという、このアルバムのハードな試みについてのものだし、「GOD ONLY KNOWS」が歌うメールの比喩は、絶対に届かない「あっち」にいる誰かと言葉を交わすことへの期待が込められている。

「あっち」とはシーンの外であり、また絶対的な他者の象徴だ。環ROYはオルタナティブな立場を持ったラッパーとして「こっち」と「あっち」を橋渡ししようとしているが、同時に他者へ言葉を到達させることそのものを問うている。彼はそれがシーンのブレイクスルーになるだろうと思った。こんなに日本のヒップホップのことを極限まで考え抜いて、それにすべてを捧げようとしている人間を、僕は他に知らない。



1.ハッピーバースデー
2.街並み
3.蒼い日
4.Ms.Solitude
5.自分RHYTHEM
6.みえないモノ
7.準備してる
8.フルメタルラッパー
9.伝
10.きっと一緒
11.You are...
12.GOD ONLY KNOWS
13.あるがままで笑える

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