DRY & HEAVY「ONE SHOT ONE KILL」完全限定生産12"
完全限定生産 Bass:Akimoto "HEAVY" Takeshi Drums:Nanao "DRY" Shigemoto Guiter:Cutsigh a.k.a. KASAI VOCAL:K-BOMB MPC:KILLER-BONG これは奇跡であり、紛れもない事件だ。 これを奇跡のリユニオンと言わずして、何と言おうか。かつて<DRY & HEAVY>の名の下にリズム・チームを組んで日本国外にもその名を轟かせていたものの、01年の別離から約9年間、まったくと言っていいほど別々の道を歩んでいた七尾"DRY"茂大(ドラム)と秋本"HEAVY"武士(ベース)の2人が再び再会したのである。これは奇跡であり、紛れもない事件だ。 スライ&ロビーがスライ・ダンバーとロビー・シェイクスピアという2人よるリズム隊の名称であるように、本来DRY & HEAVYとは七尾と秋本という2人のコンビ名であった。実際、ルーツ・レゲエ/ダブが持つ一種凶暴なまでの攻撃性やドープネスをストイックに追求し、その現代性を鮮やかに浮き彫りにしてきたDRY&HEAVYの根幹となっていたのが、七尾と秋本による強靭なビートだったことはあえてここで強調するまでもないだろう。 01年の秋本脱退は決して友好的なものではなかったはずだし、その後のREBEL FAMILIA〜THE HEAVYMANNERSにおける秋本の大活躍ぶりによって、七尾とのコンビ復活が二度と叶わないものになってしまったことはファンも覚悟していたに違いない。だが、10年11月22日、渋谷ASIAで行われたBLACK TERRORにおいて七尾と秋本のコンビが本格復活。KILLER-BONG(ヴォーカル&MPC)、Cutsigh a.k.a. KASAI(ギター)を迎えた編成によってかつてのDRY & HEAVYとも違う異次元のダブサウンドを叩き付けてオーディエンスに衝撃を与えた。 そうしたなか、極秘でレコーディングされていたマテリアルがBLACK SMOKERからついに登場する。中野HEAVY SICKで延々繰り返された七尾と秋本のセッションに、KILLER-BONGとCutsighが音を加えた(その名も)"DRY & HEAVY"、そしてインスト・ヴァージョンの"ONE SHOT ONE KILL"。録音機材にはKORG社のMTR<CR-4>を使用し、一発勝負のライヴ・レコーディング。まるで情念が渦巻いているかのような音の塊は、もはやレゲエ/ダブというサウンドスタイルすら飛び越えている。ここには剣士が睨み合っているかのような緊張感があり、怒りや喜び、哀しみを含んだエモーションの爆発がある。再会を喜ぶような微笑ましいムードは皆無。七尾と秋本が作り上げた<新生DRY & HEAVY>のサウンドは、誰も想像することすらできなかった未来のダブ・ミュージックだったのである。この音源がBLACK SMOKERからリリースされる意義を含め、これほどまでに重要な意味を持つ作品はそうそうない。衝撃の全20分26秒を体感せよ。 (文・大石始) ■DRY & HEAVY 七尾"DRY"茂大(ドラム)と秋本"HEAVY"武士(ベース)という2人からなる、日本最強のレゲエ・リズム・チーム。90年、VITAL CONNECTIONなるバンド内にてリズム・コンビである<DRY&HEAVY>としての活動をスタート。95年にはLIKKLE MAIや井上青らをフィーチャーした編成となり、97年の『DRY & HEAVY』でアルバム・デビュー。その重量級のルーツ・レゲエ・サウンドと過激なダブワイズが幅広い注目を集める。その後コンスタントにアルバムをリリースする一方、海外での活動も活発に行って各国で話題となる。だが、日本屈指のレゲエ・ユニットとして続けていた2001年のフジロック・フェスティヴァルにおいて、秋本が衝撃の脱退宣言。七尾は秋本抜きの編成で DRY & HEAVYを継続し、秋本はGOTH-TRADとのREBEL FAMILIAおよび若手と結成したTHE HEAVYMANNERSにて活発な活動を続けた。そうしたなか、2010年に七尾と秋本によるオリジナルDRY & HEAVYが奇跡のリユニオン。新時代のサウンドを携え、伝説のリズム・チームが新たな一歩を踏み出す。 SIDE-A 1. DRY & HEAVY (10:18) SIDE-B 1. ONE SHOT ONE KILL (10:08)