神門「栞」2CD
分かりやすいが、浅くない。隠さずありのままを歌うから共感を生むリリック。あらゆる人の心をとらえて止まない神門の最新アルバムは、なんと100分を越える超大作だ。HIPHOP好き、邦楽好き、そして全ての日本語好きに聞いて欲しい一枚!! 同じ作者から作られた「三日月」と「こころ」。しかしどこか色の違う二枚。その二枚。それぞれの色が共存する今作『栞』。未録音音源集というくくりで集められた楽曲ではあるが、お蔵入り作品を集めたB級アルバムではなく、どの曲もライヴでよく歌われ、音源化を望まれていた楽曲ばかりである。さらに、全曲レコーディングは、今作のために新たに行われており、過去作品の音源化というより、紛れもなく、今の神門の最新作である。ありがちなテーマですら、神門のフィルターを通せばありがちなリリックにはならない。当たり前のことを当たり前に伝える表現力は今作でも健在。ライブでよく歌われている楽曲を中心に、トピック、切り口も様々、バラエティ豊かな曲達が並ぶdisc1「詞集」(+四収)。全編『物語』で構成されるdisc2「死終」。一話一話のテーマが濃く、未だかつて誰も目につけなかった題材の物語ばかり。それらの物語のまとめとして、今作、唯一新しく書き下ろされた「いのち」は必聴。一枚、一枚がアルバムとして成立していて、別々にリリースすることも可能な中、色の異なる二枚だからこそあえて一つの作品にまとめた、合わせて100分を越える超大作。CDを聴くために時間と力を費やさなければ、作品の真髄には触れられない。『聴く』というよりも『体験する』『挑戦する』一枚。 DISC 1「詞集」 1.yellow 2.ノルマ地獄 Remix 3.brother 4.大丈夫 5.酒 6.渦 7.宝石 8.元気? 9.ひだまりのうた 10.成長 Bonus Mini Album「四収」 11.感謝 12.空箱 (抽傷) 13.葛藤 14.成長 III DISC 2「死終」 1.開く 2.百合ノ花 3.蜘蛛 4.手 5.板 6.みーちゃん 7.夜汽車 8.百合ノ華 9.黙とう 10.いのち 11.閉じる